
毎年の様に出かけている、大和クラブ恒例の
Expeditionとして、今年はVK9Xに行くことになりました。と言うのも、昨年計画して果たせず、私だけが偵察を兼ねて1人で行き、TVIは出るわ、場所は無いわで、QRVそっちのけで色々調べて周り、色々な人にも会って、無線に適した場所を借りる話をつけてありましたので、満を持してのExpeditionでした。
メンバーは、いつものコンビ
JA1JQY松井ペディションチーフ、JA1KJW中山OM、JA3MCA橘OM、JA8VE斎藤の4人です。
JA8VE/VK9XE 斉藤邦夫
4/25(金)成田11:15発JL715で、Jakartaスカルノハッタ空港には16:30に着きました。
ホテルは、以前使ったことがあるHotel
Sari Pan Pacificを予約しておいたら、空港のBaggage
Claimまで迎えに来ていました。

スカルノハッタ空港のホテル専用ラウンジで。
exJICAで予約しておいたのですが、こんな名札で出迎えられました。

Jakartaには、まだ宵のうちに着くので助かります。ホテルから車でブロックMの日本食レストランへ。
日本よりおいしい?食事でご満悦です。左から松井OM、橘OM、中山OM。
この後は、カラオケで気勢をあげましたが、写真は掲載できませんHi! 某OM曰く「Expeditionもいいけどカラオケもいいなあ、はまりそう!」と。
でも、夜遊びに来たのではなくて、先の目的があります。
翌日スカルノハッタ空港のD14カウンターへ、このカウンターに我々の航空券が用意されてあるのです。

空港のD14カウンターには、Miss.ユスワンティーと言う女性が待っていてくれて、「斎藤さん!」と声をかけてくれました。
Jakarta発11:15です。
Jakarta
からクリスマス島行きの便は、毎週土曜日1便のみですが、機体は十分大きく、預け荷物もキャビン持込荷物もあまり厳しくありません。(インドネシアのいいところです!)
フライトは完全チャーター方式で、機体そのものはインドネシアのMerpati(メルパティ:伝書鳩の意)という航空会社の機体なのですが、この航空会社に聞いてもそんな便ありませんと言う答えが返ってきます。

出発して50分位でクリスマス島に着きます。
そろいのコールサイン入りの帽子をかぶってクリスマス島第一歩です。
Jakarta
からジェット機で1Hの距離ですから、インドネシアのジャワ島からは本当に近いのです。時差もクリスマス島はVK本国とではなくインドネシアと同じです(JST−2H)。
クリスマス島の空港に着いて、入国審査もコンピューター端末で迅速に行われます。
空港には予約してあったホテルのオーナーが迎えに来てくれていました。
今回は、レンタカー(
Toyota
Rav4)も手配しておいたので、即空港からこの車に荷物を積み込んで、ホテルへ向かいました。
さすが文明国VKです、こんな孤島でも車社会なのです。

午後からアンテナの設営です。
今回の目玉の一つJA1KJW中山OMの力作である、Hex
Beamアンテナを組み立てているところ。
1本は14/18MHz用もう1本は21/24/28MHz用の2本のHex
Beamを8m高ポールの先端につけました。このアンテナは、すばらしい性能でした。
サイドの切れもよく利得もあって、しかも軽いのが何よりです。

夕日に映える中山Hex!

Hexの中心部。なかなか凝っています。
組立ては、誰も手出しが出来ません。全て中山OMのノウハウと頭の中のマニュアルに依ります。

こちらは原始的なDPです。一番上はVEが最初のExpeditionから愛用している21MHz
DP、その下に1組の釣竿でV字型に14と18MHzのDP、その下に24MHzのDPという構成です。28MHzは無いのか?ですって?確かに無いのですが、結果的にどのアンテナを使ってもそこそこ飛んでくれました。でも28MHzはVSWRが3位ですから少しPowerを下げて使っていました。

右から、IC726とリニアALS500M、RTTY用のパソコン、オートキーヤー、さあこれからつないでというところ。
でも外はもう暗くなってしまっています。

今回VK9XのRTTY要望大というので、一夜漬けでVEがRTTYを用意しました。
現地入りしてなお、キーボード上に表示のラベルを貼っているところ、泥縄もいいところデス。

軽快なキーさばきの、VK9XK/JA1KJW中山OM。
中山OMはいつも夜中や早朝、私なんかが寝ている時に、黙々とキーを打ち、そうかと思うと、ちょっとした時間に散歩へ行って貴重な景色をVideoやカメラに収めていると言う超人です。

今回中山OMが持って来たセットが、このエレクラフト社のK2/100です。K2そのものはQRP機なのですが、100Wのリニア付きで組み立てたのは、日本で中山OMがはじめてだそうです。
私もQSTで何度も広告は見て知っていたのですが、何しろ小さく200W×250D×85Hmm(つまみや後ろのコネクター、ゴム足等の出っ張り含め)で、A4版よりはるかに小さく、しかも2.4Kgしかありません。手前のキーは中山製の紙クリップ式です。

VK9XC/JA3MCA橘OMのオペレーション。
今回のExpeditionは、橘OMの第一声から始まりました。
使用したリニアは、アメリトロンのASL-500Mですが、最初橘OMが米国で買ってきて使い出し、これはよさそうとばかり私も真似て購入、今回もこのリニア2台を持って行きました。

朝食風景。質素ですがまあまあの朝食を皆で楽しみました。
食パンをトースターで焼き、バターをたっぷりつけて、ミルクもジュースも有ります。
これに卵料理が付きます。朝はあまり聞こえないので、のんびりしています。

今回オペレーションの為に借りた場所は、台所が付いていたので大助かりです。
このExpeditionチームの料理長は橘OMなのですが、時に私も作りました。この日は野菜を炒め、卵をからげました。あと冷凍のビーンズを炒めて追加すればおしまーい。

Expeditionも何度か行っているうちに、夕食だけは全員でそろって食べたい/食べよう、と言う形に、知らず知らずなって来て、ここでも何軒か有るレストランのうち、やっぱり中華料理がいいや、と毎日のようにここへ来ました。
飲食については、この島にはスーパーマーケットが2つほどあり、まあ何でも買えるのですが、野菜や果物はどうやら全て船や航空機で持って来ているようでした。
訊くと、せっかく作っても、人間が食べる前に虫たちが食べてしまうので作れないのだそうです。スーパーに行っても生鮮野菜は乏しく、入荷すると直ぐに売り切れる様でした。ビールやお酒は、貯蔵が利きますから、ここでも沢山売っていました。
お酒といえば、ある日ビールを飲んで食事をして、満腹でシャックへ帰る途中、なんとお巡りさんに車を止められました。
飲酒チェックなのです。でもこの日のドライバーはお酒を飲まない松井OMだったので、まったく反応が出ず事なきを得ました。
島には6人のお巡りさんが居るのだそうですが、その内の3人に止められたのですから。
ホテルのオーナーに、この事を訊いたらしょっちゅう取締りはやっていて、何度も捕まると、その程度に応じて1週間とか3ヶ月の免停になるのだそうです。
メンバーが全員がのん兵衛ではない!と言うことは、ホント幸せなことだと再認識しました。
6m
には、今回全期間松井チーフがIC706で張り付いてくれました。アンテナは2エレのデルタループです。連日のようにJAが開け、かつ最終日にはJA8までサービスが出来、とてもラッキーでした。
しかし、6mがopenするのが丁度現地の夕方、ところがこのクリスマス島はどの宿泊施設にもレストランがなく、毎回食べに出なくてはなりません。
夕食時は、我々の愛用した中華レストランでも5:30開店です。そこで開店を待って食べて、大急ぎで帰りサービスを始めるという毎日でした。
1週間の成果は、
4人の全QSO数は約12,700、内訳はHF(CW/SSB)約11,200、RTTY約800、6m
680でした。
今回はアンテナを十分離して設置できた為、
4人が同時運用しても干渉が無く、FBな運用環境を実現できました。
Lowバンドがまったくダメで、残念でしたが、ハイバンドはよく開け、連日EUの強力なパイルにさらされました。
日本からも沢山の方々に呼んで頂き幸せでした。

島のTV・Radio局の人達との記念写真。私がQRVの適地を相談に訪れたのが、このRadio局のブライアン氏だったのですが、このときは丁度休暇で本国へ帰っている由、他のスタッフが対応してくれました。

前回のVK9XE報告で、この島の動物達については触れてありますが、今回我々は、夜になるとヤシガニの訪問を受けました。
しかも、この大きなハサミでなにやらモールスを打つのです?。どうやら意味は「近づくと食べちゃうぞ!」と言っているらしいのですが、完全解読は出来ませんでしたHi!
ヤジガニは(人間が)食べると大変おいしいのだそうです。
この島は60%が国立公園になっているのですが、誰かが「国立公園に出てくるのは食べてはいけないけど、そうでない所に出てくるのは食べてもいいんだ」と言って居ました。
人間の方がやはり危険な動物の様です。

今回のExpeditionで珍しい植物に出会いました。なんと葉に赤で花びらが書いてあるのです!
神様が「そうしたら」と教えたのでしょうか?これで実際の花は黄色の小さな花でも、効果的に虫が呼べるのでしょうか?広告宣伝がうまい一寸誇大広告的?な植物です。
2003年 8月 吉日
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