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マーシャル便り


リキエップ

Likiep AtollLikiep島の小学校に、今年から青年海外協力隊の先生が一人赴任することになりました。
以前、私が運輸通信省の船でこの島へ立ち寄ったときも、校長先生がJOCVの先生が欲しいと言っていました。
平成17年度1次隊で赴任されたのは現職参加の吉田隊員でした。
JOCV
事務所から、工事に必要な物はもう送ってあるから隊員宿舎に、太陽電池パネル・蓄電池の設置、屋内電灯配線、無線機の設置等のため、事務所の現地スタッフ1名と共に行って欲しいと要請があり出かけました。

リキエップ到着 空路では初めてです。いつも同じスタイルです。運行がメイビーなエアマーシャルですが予定通り着きました。

リキエップの飛行場 リキエップ島は大きな島ではありません。これが飛行場の看板と建物です。

リキエップの浜 この島はとてもきれいな島としてマーシャルでも有名です。「きれいな」と言うは景色もさることながらゴミが落ちていないのです。家々の庭には植木や花があってよく手入れされています。

アウトリガーホテル リキエップにはアウトリガーホテルがあります。しかし、このところオイルの価格上昇と供給不足で、発電機を動かす燃料が来ないためクローズされていました。

しかし、泊まる所は他にはなく、どなたかの家へ泊めてもらわなくてはなりません。
交渉の末電気は止まっているがそれでも良ければと、泊めてもらうことになりました。部屋にはクーラーもついていてシャワーも水洗トイレもあります。
しかし、電気がないとむろんクーラーは動かず、結構夜も蒸し暑く蚊取り線香を焚きながら窓を開けて寝ました。
シャワーの時だけ、太陽電池で昼間充電したバッテリーからDC/ACインバーターを動作させて、水ポンプを動かし済ませると言う生活です。

アンクルジョーご夫妻 このアウトリガーホテルのオーナー夫妻です。ご主人のジョージ・デブレム氏はかって日本の国民小学校で勉強しましたといい、今もかなりの日本語を使うことが出来ます。奥様は2度目の奥様で20歳くらい若いはずです。

対岸までボートで運搬 この島に車は無いことはないのですが、事前に船で送ってあった鉛電池やソーラーパネル等々を桟橋の近くの倉庫から隊員宿舎がある対岸までボートで運びました。そこから先はリヤカーです。 

バッテリー液注入 着いた翌日から作業開始です。最初に鉛蓄電池にバッテリー液の注入です。

今回私に同行したのはJOCV事務所に最近採用されたアレン氏です。
何でも勉強しようと積極的で好感が持てました。

半田付け準備 太陽電池パネルを仮配線しバッテリーに充電するようにしました。DC/ACインバーターを使いはんだごてを使います。

ソーラーパネル組立 8枚のソーラーパネルを材木で2枚づつ一組にし、これを4個作りました。

各ソーラーパネルからはプラスとマイナスのリード線が出ています。昼間の作業ですから、いわば活線作業です。
一つの作業が終わるたびに絶縁テープを巻いて、ショートしないように気をつけます。
実は、必要資機材はすべてJOCV事務所で事前に準備してあるので、私は工具くらいでいいと言うことでした。
送ってあった物も事前にマジュロでチェックされていなかったり、必要な部材も送られておらず、現地に有るとと聞いていたので・・・、と言うようなおおざっぱな準備で、何も無い離島故、すべてに時間がかかり結構大変でした。

屋根作業 ソーラーパネルは以外と重いので肉体労働です。屋根に固定してから、絶縁テープを一カ所はがしては半田付けし、またテープを巻くと言う炎天下作業です。

屋根への取付完了 ここまでなんと2日を要しました。とにかくエネルギーのもとである太陽電池パネルの設置工事が大切です。

無線機の台 バッテリーと無線機の置き場所を決め、隊員の面倒を見てくださっている隣家のdeBrum,Jr氏にこんなイメージでと言っておいたら見事な台を作ってくれました。材木は梱包材を取っておいたのだそうです。

ソーラーパネルとバッテリーの組み合わせは、電気のない離島では良く見られます。
ソーラーパネルとバッテリーの間にはコントローラーと言う機器を入れて使います。ここでは台の右側面に取り付けてあります。

椰子の木 アンテナの設置用に、宿舎からの距離と方向を勘案し近くの椰子の木1本を決めました。下側の葉を前日に払ってもらい、これに釣り糸を使った自家製滑車を取り付けました。

当初登ってくれるはずの若者が怪我で登れないとかで、代わりの若者が来ましたが何とか作業が出来ました。
このような作業は、アレンが通訳してくれないとまったくどうにもなりません。
アンテナはフォールデッド・ダイポール(全長25m)を使いました。
この片側を約10m高の椰子の木へ、もう一端は地上高約4mの低木に結び傾斜型としました。
結果的にこの長いアンテナは、昼から夜にかけての伝搬状態の変わり目にも比較的安定に通信できるようです。 

初めての電灯 仮配線で初めて灯った明かりです。吉田隊員が感激しているところ。

台所の電灯 この電球はDC12V30Wの電球です。何もないのに比べるととても明るく感じられます。

家全体 この島がJOCV隊員のために用意してくれた家です。ベッドルームが2つと居間があります。外の電灯は洗い場用です。

お披露目と子供達 この島では新居が出来た時等にはお披露目をして、みんなが見に来るしきたりがあるのだそうです。吉田隊員は着任間もないのですがたくさんの子供達に慕われていました。

正味3日全5日間の日程でしたが、次々と準備不足な点が出てきて結構きつい日程でした。
マジュロで必要な工事や準備作業をしておけば一日は余裕がとれたろうにと思いましたが、どんなときにも最善を尽くさねばなりません。
出発当日の朝には、無線機1つと学校のコンピューター室の不具合を見て滑り込みで飛行機に乗り込みました。

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