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マーシャル便り


エニゥエタク島

マーシャルで有名な島(Atoll)は、ビキニとエニゥエタク(Enewetak)でしょう。日本大使館の方がエニゥエタクへ行くのに同行して、この島を訪問する機会に恵まれました。

ビキニもエニゥエタクも、米国による核実験で有名な場所です。エニゥエタクでは54回(内1回は水爆)の核実験が行われ、第1回目の水爆実験もここで行われました。(2回目はビキニ)

7:30発のエアーマーシャルでクワジェリンを経由して10:45にエニゥエタクに着きました。
滑走路は驚いたことに、コンクリート舗装2000m級の立派なもので、大型旅客機の離着陸も出来そうです。事実少し前にコンチネンタルの大型ジェット旅客機が何かのトラブルで緊急着陸したそうです。

Enewetak Atoll地図  滑走路があり大部分の人(約900人)が住んでいる場所がEnewetakで、他にMedrenに約70人が居住している。Runitには核汚染物質を閉じこめてある巨大なコンクリート製のドームがある

Enewetakの滑走路 時に滑走路は道路の代わりになっているようです。飛行機は1週間に1便のみ

学校です。1〜8学年全校生徒270人の立派な学校で、コンクリート製3階建てでした。

1・2学年の教室 教師はFiji人で努めて英語で話すように教えているとのこと

8学年生の教室 教室はみな明るくきれいで、マジュロでもこんなにきれいなな学校はありません

学校のある場所には診療所や教会もあり中心的な場所になっています。
住居は米国が核実験を行っていた時代に使われた建物がそのまま使われており、2〜3種類あるとのことでしたが、厚いコンクリリート製の建物が目に付きました。

放射線研究所 学校や診療所のある地区にあり海岸から直ぐの所にある

居住地区(Enewetak)から、ボートで40〜50分の所に核実験の廃棄物を埋めた島(Runit)があり、案内してくれました。

海岸からみたコンクリートドーム 木々の間から巨大なコンクリートが見えます。高さはあまり高くはありません、せいぜい10m位でしょうか

Runitの巨大なコンクリート製ドーム 核実験が行われた場所はRunitの先のほぼ全岩礁にわたり、これらの場所の汚染物質を、核実験の穴を利用して深さ100mの穴に埋めコンクリートで封じ込めたとのこと。
コンクリートドームの直径は約100m。向こうに池の様に見えるのは核実験で出来た穴

コンクリートドームの中腹にあった鳥の卵 突然変異で怪鳥が生まれてこなければよいのですが・・・

Runitに残る観測所の跡

ラグーン内にある、核汚染物質を閉じこめたと言う廃船)

Runit島の白砂 砂浜はどこまでも白く静かで、かってここで核実験が行われたとは思われません。
今はここを訪れるのは海鳥とまれに人間が短時間訪れるだけです)

Enewetakの地方行政組織(Local Governmentと呼んで居ますが)は、マーシャルで2番目にお金持ちなのだそうです。1番は当然ビキニです。米国からの補償金が入るためだそうです。中央政府から遙か離れた場所にありながら、この島には電気があります。学校も冷房が効いていますし、立派な診療所もありました。
飛行機が飛び立つまでの3時間と言う時間内で、色々な所を見て回った、極めて慌ただしい訪問でした。

後日、この島はIOTAが他のAtollとは違ってOC-087と言う番号がついており、数年前に米国のグループがExpeditionに来たことも知りました。出かけるとしたら1週間は必要です、また宿泊設備があるのかどうかも調べなくてはなりません、いつの日か1週間分の食料を持ってIOTAサービスのExpeditionに出かけてみたいものです。 

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