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マーシャル便り


シャック

 昨年5月に移り住んだ海岸近くの1軒屋での、ありんこやゴキブリとの戦いにもほぼけりが付いて、アンテナを建てるべく準備し始めたのがもう暮れ近くでした。
最初に7MHzのトラップを入れた3.8MHzワイヤーDPをヤシの木を利用して張ることにしました。
ヤシの木も結構背が高いので最初にハシゴを作りました。

自家製はしご 20ftの角材を買ってきてあまり重くならない様に作りました。私の体重に耐える設計ですので、マーシャル人は使用禁止です。約7mですが実際に上まで登ると結構怖い高さです

1人で週末に少しづつ作業をしますので、上から落っこちて迷惑を掛けないように安全ベルトもロープを買ってきて作りました。
「ハシゴを掛ければ上へ上がれる」と書けば簡単そうですが実際には簡単ではなく、ヤシの木も滑りますし下で押さえてくれる人も居ないので、2-3m毎にロープでハシゴをヤシの木に固定しながら上へ登ります。
降りるときはその逆を行い上から順にロープをほどき降りてきます。
なんとかヤシの木2本と家のそばの木に沿わせたVertical Ant用の支柱とでDPを張りました。
この3.8MHzDPWへは良く飛んでゆくようで向こうからは59と言ってくるのですが、受信側のこちらはノイズが高く今も出ると結構耳が疲れてしまいます。
本当は「Lowバンドは南北へ張るべし」に従いたかったのですが敷地が狭く東西に張りました。
でも7MHzJAとの間はほぼ問題なく飛んでくれている様です。

V73VEの全アンテナ 右に3エレのトライバンダー、向こうに家に添って立って居るのがVertical Ant。手前のヤシの木がDPのセンターです)

写真の右側、木製のタワーは前任者の木村さんが残してくれたものです。
少し傾いで見えますがカメラの広角のせいで改めて正面写真を次に示します。

木製タワー上の3エレトライバンダーと5エレの6m八木

 困ったのはアンテナマスト即ちアンテナを取り付ける心棒のパイプが手に入りません。
日本から手荷物で持ってくるわけにも行かず、結局角材の4面に更に材木を張り合わせこれを削ってペンキを塗って使いました。
これで結構な強度があって心配したねじれは問題なしです。
 14・21・28のトライバンダーと言っても狭い敷地で組み立ててみると結構な大きさです。
あらかじめ庭のヤシの木は1本切って貰ったのですが、(木製)タワーは自立ではないので、アンテナを上げるときはステーが邪魔して結構大変でした。
この時ばかりは職場の同僚2人に手伝って貰い揚げる事が出来ました。

一番上が6m5エレ八木、その下に3エレ・トライバンダーをつけてあります。
せいぜい地上高10mくらいでしょうか。庭先すぐが海で、満潮時には波が少し庭に入って来る位ですから、海抜10mと言うのと同じです。

Vertical Ant この木柱は、支柱兼Vertical Antennaになっています。先端部は釣竿に導線を通したもので自立させ途中から線を引いてきて、オートチューナーにつないでいます。全長約10mの高さがあります

オート・チューナー このアンテナ・オート・チューナーは、アメリカのSGC社のSG-230と言うチューナーです。このチューナーは、DC12Vさえ与えてあれば、あとは同軸でパワーを送り込めば、自動的にその周波数に同調してくれるという優れものです

この国の離島間の通信は100%短波通信に頼っています。
むろんJICAの青年海外協力隊の離島勤務の人たちとの通信も短波で行っています。
マジュロにあるJICA事務所も調整員の自宅も無線機を持っていますが、私も時に彼らとの通信が必要になり、アマチュアバンド以外の周波数も出す必要があって、実は最初にこのアンテナを設置しました。
このオートチューナーは100Wまでですので、大電力を入れることは出来ませんが時に7MHzJAFBにコンタクト出来ていました。

V73VEのシャック コールサイン入りのシャツは、日本で私が所属する神奈川県大和市のアマチュア無線クラブの人たちがExpeditionに来た時、一緒に自作したものです。無線機はヤエスのFT-8406m専用に使っているFT-897D、この無線機は50MHz100W出るのでインターネットで米国から買いました。短波はFT-840に、アメリトロンのAL-811と言うリニアを付けて使っています。正味出力はピーク300W程度だと思います

以上のラインナップで使っているうちに、どうも14MHz7MHzでの反射波が気になり出しました。VSが3まではないですが2を越えるところがあります。そこでMFJのカタログを見てMFJ-962Dと言うAntenna Tunerを購入しました。

リニアーAmpMFJ-962Dチューナー アンテナチューナーを使うと反射をゼロまで持ってゆくことが出来ます。これを使い出してからは少しでも反射があると気になって再度きちんと同調を取り直さないと気が済まなくなりました

チューナーの一番左のつまみは、無線機との間のマッチングなのですが、これもバンドにより微妙に効いているようです。気の済むまでHi!アンテナのマッチングを合わせ、無線機は100W機ですが出力つまみは丁度12時(50Wと言うことでしょうか)、マイクゲインも12時位置、一軒家の1人住まいをよいことに少し大きめの声でマイクに向かってしゃべっています。
あと、アンテナは3エレですが、方向は三宅さんから戴いた方位地図を見ながらこまめに合わせています。
最近は14MHzの上の方で夕方(こっち)(先方深夜)CQを出すと沢山の局に呼ばれ、目を白黒させています。
中にBeautiful Signal!と言ってくる局もいて、もっとカラオケで声を鍛えて置かなくては?と思ったりしています。
でも、こういう雑念が入るとコールサインが取れないと言う未熟者です。(笑)  

マジュロでは、電波でのTV放送は無くすべてCATVなのですが、これがどういう訳か電波を出すと影響を受けてしまいほぼ向こう三軒両隣影響がでます。
どうもケーブルの接続もユーザー(契約者)の数もいい加減?と言うのが原因のようです。そこでコモンモードのフイルターを作りました。

コモンモードフイルター1次試作 インターネットで米国からコアと細い75Ω同軸を購入し缶詰の空き缶を2つに切って納めました

これでも何とか効いたのですが、いかんせんコア材のμが思ったほど高くなく、沢山巻かなくてはなりませんでした。そこで一時帰国の時に秋葉原でコア材(TDK H5A T28-13-16)とアルミケース(TC-102)を購入し、作ったのが次のフイルターです。

コモンモードフイルター2次試作中身 気を付けなくてはならないのがCATV用のケーブル外皮側で、半田が付かないので私はカシメました

少々細かい話になりますが、使った同軸はRG174/U外径2.54mm Loss10db/100m(at 10MHz)17t 1層巻きインピーダンス約4KΩ(at 4.5MHz)、完成品の挿入損失は0.2db以下です。 

コモンモードフイルター完成品 これで3.8MHz 300W送信DPの下に架設されているCATVケーブルからの干渉を除去できました

こんな環境からQRVしておりますので、聞こえましたら遠慮なく声を掛けてください。
例えが良くないですが、Wからのパイルの時に後ろのVKから呼んでくるように??いつでもどこからでも声を掛けてくださいお願い致します。

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