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ジャカルタ通信


地震雷・・          (2003-10-04)

地震、雷、火事、おやじと言われていたのは、何処の国でしたでしょうか。
ジャカルタには地震はまずありません。ビルもその屋上に立っている鉄塔類も、ひょろひょろなものばかりです。
台風もないし地震もないのですから、それでいいのかも知れません。
一度、ジャカルタから遠くない少し高い地方で、雹が降ったことがありました。
風も少し強いのが吹いた様で、ラジオ放送局の送信アンテナが倒れたと報道されましたが、それっきり別段何の騒ぎにもなりませんでした。
送信アンテナが倒れても、庶民の生活には、何の影響もないということでしょう。
雷は、雨季には毎日のように降りますから、結構ゴロゴロと聞こえ、日本と同じように稲妻も光っていますが、これもあまり騒がれることはありません。ごくありふれた現象なのでしょう。

おやじについては、この国は特にジャワ人は温厚な人種と言われるだけあって、おやじでなくても、まず大声を出したり怒ったりは見たことがありません。
争いを避ける性格なのだそうです。
本当にこの点は、せっかちで短気な私?日本人?は見習う必要がありそうです。

火事については、本当の原因はともかく、いい加減な電気配線も想像に難くない国柄ゆえ、漏電に依る火事はとても多いようです。一度、低層ビルの3Fが燃えて火が噴出しているところへ通りかかり、見ていたら15分以上してから消防車がやってきました。(それまで見ていた?ということ。こういうのを野次馬って言うんですよね)
ジャカルタに長い日本人の方に聞いた話では、火事で消防車が来ても、お金を払わないと放水してくれないのだそうです。
それは彼らが一生懸命消火活動しても、一銭にもならないくたびれもうけだから、と言うのです。
背景には、公務員の給料が安すぎて、給料だけではやっていけないからと言う、切実な背景があるのかもしれません。
知り合いの中国系インドネシア人が、オートバイを盗まれて、警察に届けたが、新品を購入する1/3のお金を(警察に)渡してやっと出てきた、と言っていました。
これって、もしそれだけ払うのは嫌だといったら、どうなっちゃうのでしょう。
考えようによっては、何でもお金に変換される仕組みが、安い公務員の給料を補てんすべく出来上がっているような気がします。


(火事 ジャカルタには時に大きな火事があります。この写真は繊維関係が集まっているタナアバンという場所の市場が燃えた時のもので、勤務先の24階建てのビルの屋上から撮りました)

この時の火事は、丁度昼食に出た時、既に煙が見えましたから燃えていることは判りましたが、なんと帰宅時にも黒煙がもうもうと出ており、この煙が風のないジャカルタ市内の、離れた別の場所に垂れ下がっていました。
その地区の住民は相当に煙たかったと思われます。この火事は翌朝まで燃え続け、出勤時にもまだ薄い煙が遠くから見えていました。
私が思うに、これだけ大きな火事だと、誰もお金を払うから消して!という人が居なかった?のではないでしょうか。
翌日の新聞に、やれこの火事は汚い市場を再開発するために誰かが放火したんだ、それが証拠には翌朝一番に、大統領の親族が現場を視察に来た、あまりに手回しが良すぎる等々、なんだかそうかなあと思いたくなるようなことが書いてありました。


(デモ ジャカルタの中心部のロータリーを行進するデモ隊。見ている警官もデモする方もおとなしい。)

地震雷火事おやじの他に、ジャカルタで付け加える必要があるのはデモです。
「泣く子と地頭には勝てぬ」、と言う諺がありますが、ここではデモには勝てません。ジャカルタ市内の道路の設計が(いや都市設計が)、大昔馬車が主要交通手段だった頃と、あまり変わっていないのではと思われるのです。
官庁街の主要道路が1本ですので、デモする方も、もっぱらこの道です。
当然、大渋滞が起きて車もタクシーも忍の一字です。
大きなデモがあると言う予告は、邦字新聞にも出ていますが、小さいデモは出ていません。
市内で突然渋滞でまったく進まない、運転手はまたデモだろうと言います。
30分位辛抱すればまた動き出し、別段それで世の中何も変わらない?、タクシーの運転手は「デモがあると人が出なくなるのでまったく仕事にならないよー」と嘆いていました。

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