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A52VE ブータンレポート


 

8.ティンプー名物

 ティンプーの朝は高地だけあって出勤する時、遠くに霞か雲?が見えます。そんな中を坂道を下ってオフイスへ行くのは気持ちのよいものです。   

ティンプーの景色1 何ともすがすがしい朝です。

ティンプーの景色2 ポプラのあるこんな道をとことこ徒歩で勤務先へ向かいます。

 さあここで問題です。今見てきた2枚の写真に共通だった物は何でしょうか?

 一息入れて考えていただきたいところですが・・・

 実はどちらの写真にも犬が写っているのです。とにかく「人も歩けば犬にあたる?」(あれ!違ったかな?!) いやいや、ここティンプーではこれが正しいのです。

ティンプーの景色3 ここにも犬が居ます。

 以上は、比較的人通りのない道路脇に犬が居たと言う写真でした。 

店先1 これは昼間です。店の前、子供達も遊んで居るうるさい場所です。

店頭2 ここのお店の前には何匹いるのでしょう。

店頭3 ここはティンプーのメインストリート、目抜き通りですがここにも居ます。

 歩道の真ん中にも寝ていてすれ違う人も居ると、時にまたいで通る事もありますが、犬の方は微動だにしません。さすがブータン、犬に悪さをする人間は見たことがありません。犬の方で人間を100%信頼している?無視している?のでしょうか。

路上1 これは車道、駐車場の場所です。

路上2 これも車道ですが、全く意に介していません。

 このように歩道でも車道でも犬が寝ていると、ブータン人の車はよけて通ります。人が居るとクラクションを鳴らして、人間がどけなければなりません。

路上3 なんか気持ちよさそうです。

路上4 うんにゃ、わしゃこうして寝るのが肩がこらず、いいんじゃよ、ムニャムニャ。

路上5 親子で昼寝。

 さあ、ここで2問目。以上見てきた犬の写真で共通だったことは何でしょう?

 二息?入れて考えてください。

 そうです、全部寝ているのです。実はこれには大変な事が隠されています。

やたら犬が多い、これは事実。なぜ? 私の観察では、この国の人は敬虔な仏教徒ですから殺生はしない、
避妊手術は奨励しているようですが(お金はかからず逆に、なにがしかくれるそうです)犬の方が増殖に熱心で増える一方、飼い主が明確な犬も居るが大半はっきりしない、よって大部分の犬はきたない、皮膚病になっている犬も多い、親犬は飼い主が面倒見て綺麗だが、其の子供、更に子供の子供は面倒見る人が居ないので汚くなる。
しかし食べ物には不自由しない、なぜなら誰でもなにがしの食べ物をくれるから。この国では生きとし生けるものにはみな施しがあるので昼間ずーっと安心して寝ていられるのです。
私がアパートに落ち着いた初めての夜、疲れたので
10時頃にベッドへ入りました。
11
時過ぎに家の周囲をかれこれ10匹程と思われる犬共が大変な勢いで吠えながらかけずり回って目が覚めました。大型犬ですのでドドッと走る音までします。

 ティンプーでは夜になると、昼間寝ていた犬共は皆起き出して警備に?出動します。まあ、あちこちで吠えてうるさいこと。人間の活動がまばらになる夜の10時頃から夜中の23時頃まであちこちで散発的に起きます。

 ホテルで遠くに犬共が騒いでいるのは聞いていましたが、アパートに入って初日、部屋の直ぐ外で騒がれたのにはビックリしました。
しかもこれが毎日なのです。が、
2日目は全然気にならずぐっすり寝てしまいました。

 夜アパートの廻りを駆けめぐっていたのはお隣の犬のはずです。昼間は繋いである家でも夜は放す家が多いようです。
当然、雄は神様から与えられた使命に忠実に雌を求めて徘徊し、何処の縄張りへも入ってゆきます。すると警備担当の犬共は連合して侵入者を追い回して撃退するため運動会になると言うメカニズムです。

困るのは、人間もこの犬世界の迷惑を被ることで、同期で赴任した人達で既に数人が昼間と言うのに咬まれています。ブータンは狂犬病の汚染地帯ではないとされていますが、念のため直ぐにワクチンを打って一騒動になります。立ち話をしていて突然後からお尻をかじられたと言う若い隊員も居ました。
どうやらかって犬にかまれたことがあるという人は、国が違っても?犬が違っても?また咬まれる確率が高いようです。なぜなのでしょう?

私はどうやら前世が猿ではなかったようで割合犬には好かれるようです。本当は人間の女性に好かれる方が嬉しいのですが?。

何匹? のどかな昼下がり、最後のクイズです

親子 お寺に居た親子です。かわいがられているのでしょう、毛並みが綺麗です。ティンプーではこういう犬はまれです。

 ブータンの犬は、(ブータンだけではありません、他の国でも)人間との距離を明確に持って生きています。一般に日本人は犬と見ると直ぐに手を出したりなでたりしようとしますが、とても危険です。
手を出したらがぶりとやられるケースもあります。

 犬とつき合うには、無視だけでもダメです。犬からイチャモンを付けられたら毅然として叱る意気込みが必要です。
それでも吠える犬には石をぶつけるなどしてその場の優位を確保しておくことが、私は必要だと思っています。

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